The 40th Annual Meeting of the Japanese Society of Oral Therapeutics and Pharmacology

第40回日本歯科薬物療法学会学術大会

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第40回日本歯科薬物療法学会学術大会
大会長 中川洋一
鶴見大学歯学部附属病院 口腔機能診療科

第40回日本歯科薬物療法学会学術大会を鶴見大学で開催させていただくことになりました。

本学会は、歯科における薬物療法に関する研究の進歩と知識の普及を図ることを目的としております。薬物療法は、外科療法とともに医療の一翼を担うものであり、歯科医療の質の向上と国民の口腔の健康増進に果たす本学会の責任は大きなものです。

医学の進歩は目覚ましく、再生医療は臨床応用され、AIが治療法を選択する時代になってきました。歯科領域でも再生医療が現実のものとなり、今後は、多様化した口腔の愁訴への対応、難治疾患への新たな対処やドラッグリポジショニングが求められる局面です。このようなことから今回の学術大会のメインテーマは「歯科薬物療法の新しい展開」としました。

再生医療については第一人者、大阪大学歯学部の村上伸也先生に特別講演「歯周組織再生剤リグロス®が変える歯科再生医療の未来」をお願いしました。

口腔乾燥、灼熱感、味覚異常、口臭など多様化した愁訴への対応には、基礎的な勉強も必要と思い、明海大学歯学部の村本和世先生に「脳における味と匂いの統合〜味覚異常の薬物療法の確立を目指して〜」というタイトルで教育講演をお願いしました。ワークショップ「Burning Mouth Syndrome (BMS)を改めて考える~その新しい概念と治療法について~」と委員会報告「4学会合同口腔乾燥症用語・分類検討委員会報告〜口腔乾燥症の新分類(案)〜」で議論を深めていただきたいと思っています。さらに診療の引き出しを増やすべく、教育シンポジウム「歯科医療に必要な漢方薬の知識」で漢方を勉強したいと思っています。2019年には、本学会の理事でもあった渡部茂先生が「5歳児の唾液の量」でイグノーベル賞を受賞されました。「ヒト1日の唾液量」というタイトルで講演していただきます。唾液研究の背景や受賞の意義について興味深いお話が伺えると思います。一般演題にはドラッグリポジショニングに関する演題など、新しく興味深い発表が多数エントリーされています。難治疾患への対処に有用な示唆が得られるものと期待しております。

歯科薬物療法の新しい展開のため、厚生労働省医政局歯科保健課 小嶺祐子先生の招聘講演「歯科医療を取り巻く状況」から、歯科保健医療ビジョンを学び、臨床や研究のあり方を改めて考えたいと思います。構築されつつある“地域包括ケアシステム”では医薬品の安全管理も重要であるため、シンポジウム「歯科診療所における医薬品安全管理と歯科衛生士の役割」を企画していただきました。

一方、日常の一般歯科診療では薬物療法の情報収集が怠れません。「有病者における安心・安全な薬物療法」「アスリートへの医療提供とアンチ・ドーピング」「口腔ケア10の鉄則」「さまざまな場面で遭遇する口腔カンジダ〜危険因子、診断、最新の治療薬まで〜」「論文をアクセプトに導く統計学」など日常臨床に役立つセミナーを企画しております。

日本歯科薬物療法学会は第40回という節目を迎え、日本歯科医学会の専門分科会として、より一層の発展と進化が望まれます。多数の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

開催会場

鶴見大学(Web開催)

事務局

鶴見大学歯学部附属病院
口腔機能診療科
〒230-8501
横浜市鶴見区鶴見2-1-3
TEL:045-580-8559
E-mail:
jsotp40@tsurumi-u.ac.jp
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